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生ける屍の死

ミステリ評論家として活躍していた山口雅也の長編デビュー作。

ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った!この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか?自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか?


死者が甦る中での「殺人」。しかも、探偵役の主人公までもが死者に。
英題は「DEATH OF THE LIVING DEAD」。ジョージ・A・ロメロ監督の有名なゾンビ映画「NIGHT OF THE LIVING DEAD」のパロディですが、中身は超本格モノです。
殺した相手が生き返る状況で何故殺人が起こるのか?この世界でしかありえない、この世界だからこその動機があるのです。作品の舞台となっているアメリカの地も、翻訳モノの雰囲気を出しているだけでなく、その地だからこその動機があるのです。
さすが、ミステリマニアの著者の着想力には脱帽です。

また、この作品にはタイトルの件からもお分かりのように、古今東西の文学、ミステリ、映画、音楽からの引用が多数あります。著者の博識振りにもまた驚かされます。例えば、主人公コンビの名、グリンとチェシャ。「不思議の国のアリス」からの引用だし、巻末の参考・引用文献リストには、G・K・チェスタトン、エラリー・クイーン、アガサ・クリスティ、H・P・ラヴクラフト、マーク・トゥエイン、E・A・ポオ、ボルヘスなどの名が並んでいます。
音楽系では、ボブ・ディラン、キング・クリムゾン、ザ・クラッシュ、などなど。主要人物の霊園経営者一族のバーリイコーンという名も、アイルランドの有名な民謡からだったりします。

ふつうのミステリに飽きた方はぜひ一読を。京極作品が好きな人もはまるかも。ただ、登場人物が全員外国人なので、翻訳ミステリが苦手な人にはちょっとつらいかも・・・


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